元グレートチキンパワーズの俳優・北原雅樹（45）が、12日と13日に岡山県天神山文化プラザ（岡山市北区）で行われた、演劇企画ユニット「ループ10（テン）」の公演『天神山文化プラザ土曜劇場・こどもの一生』に出演し、本格的に芸能活動を再開した。猟奇的な役柄で存在感を示し、「これを機に、またたくさん演じていきたい、作・演出もやってみたいとチャレンジ精神がすごく湧きました」と再起を誓った。

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　中島らもさん原作のホラー小説の舞台化で、北原は子どもたちの幻想が生み出した“山田のおじさん”を演じた。子どもたちに受け入れられようと気さくに話しかけるが、“承認されたいのに殺さなければいけない”というジレンマに陥るという難役。北原は、前半で持ち前の人懐っこさを発揮する一方、後半は目を血走らせて“狂演”を見せ、ラストは出演者とのダンスを踊り、復帰作を演じきった。

カーテンコールでは「来場者プレゼントです！」と、血まみれの衣装や衣装や持っていた小道具のチェーンソーを差し出し、他の出演者に「再演するから！」とツッコまれるなど、茶目っ気も見せた。

　舞台後、北原は「今回の役は、実在しない幻想が生み出した役ということで、稽古を始めてもなかなかどう演じればいいか悩み続けていました。演出の方とも何度も話し合い、承認欲求の塊である山田のおじさんは、喜び、哀しみ、怒り、狂い、そして子どもたちのイメージがなくなっていくと、苦しみながら消えていってしまうという表現ができていきました。感情がジェットコースターのように目まぐるしく変わり、表現が難しかったですが、やりがいというか、濃厚で幸せな時間を過ごさせていただきました」とあらためて舞台に立つ喜びを噛みしめ、「あー楽しかった！」と、2日間で4公演を走りきった。